- 2011.07.12
- 関の考え方
原子力発電の論点整理「第二回 放射能と放射線」
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※このシリーズは、原子力発電について正しい認識を持って、今後、この発電方法の取扱方針についてどのように判断するか、そのための論点整理を目的としています。
そのため、先に結論ありきとしての表記方法はとりません。では、第二回目として、事故等が発生した際の放射線による人体の影響について調べてみました。
よく、新聞やニュースで、放射線量等の言葉が出てきます。確認をしてみてください。
1.放射線
放射線とは、放射性物質から出される「電磁波や粒子線」のこと。放射能とは、この放射線を出す能力。
(1)単位
①ベクレル
放射性物質が、放射能を出す強さの単位。
②シーベルト
放射性物質から出された放射線を人が受けた際の影響の度合いを示す単位。
(2)種類総ての電磁波、粒子線のことを放射線というが、一般的には、物質を通過するときに、原子や分子をイオン化させる能力がある電離放射線のことをいう。
このうち、電磁波にはx線(レントゲン線)、γ線などがあり、粒子線にはα線、β線、中性子線などがある。
これらを止める能力は次の通り(止める能力の弱いものから順)
①紙のみで止まる
α線
②アルミなどの薄い金属板で止まる
β線
③鉛や厚い鉄の板で止まる
x線、γ線
④水やコンクリートで止まる
中性子線
2.放射線の人体への影響(1)放射線量影響
ミリシーベルト
7,000~10,000
全身被曝:100パーセントの人が死亡
5000
水晶体:白内障
2,500~6,000
生殖腺:永久不妊
3,000~5,000
50パーセントの人が死亡
3,000
皮膚:脱毛
500~2,000
水晶体:水晶体混濁
1,000
全身被曝:10パーセントの人が悪心・嘔吐
500
全身被曝:末梢血中のリンパ球の減少
200
全身被曝:これより低い線量での臨床症状は確認されていない
10
ブラジルのガラパリ地方の年間自然放射線
6.9
CTスキャン1回
2.4
一人当たりの自然放射線の世界平均(年間)
1
一般公衆の線量限度(年間)、医療除く
0.6
胃のx線集団検診(1回)
0.2
東京・ニューヨーク航空機旅行往復の宇宙線
0.05
胸のx線集団検診、原子力発電所周辺の線量目標値(年間)
参考:資源エネルギー庁、経算産業省のエネルギー白書2007
参考:緊急被曝医療REMnet注意事項として、放射線が人体に当る場合、放射線の種類や当り方で影響が異なるので、人体への影響の評価には、補正が行われている。
※本日の情報は、茲までとします。
ニュースや新聞で、東日本の被災された方々や原子力発電所で働かれている方々の被曝線量が報道されております。 また家畜や野菜の被曝線量も報道がされております。
放射線量は時間とともに変更(蓄積)されていきますので、報道されている時期についても考え合わせる必要が有ると思います。
(続く)