- 2011.08.26
- 関の考え方
原子力発電の論点整理「第七回 他の発電方法 (2)火力発電 ①石油」
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※このシリーズは、今、議論されている原子力発電の今後の方向性を読者の皆様ご自身に考えて頂くべく情報を提供することを目的としております。
従いまして、このシリーズをご確認後、どしどし私のフェイスブックにご意見を頂きますよう宜しくお願い致します。
「石油による発電」
1.概要
・1975年には、発電に使用するエネルギー資源のうち、62%を石油で賄い、文字通り、石油がエネルギー資源の最主力であった(水力20%、原子力6%)
・オイルショックにより石油の価格が急騰(第一次オイルショック 1973年、二次オイルショック 1979年)、石油による発電割合を下げる方向性とした。
(年次別 石油発電の割合)
1980年
46%
1990年
29%
2000年
10%
2008年
12%
2.可採年数42.0年
他のエネリギーより可採年数が短い。
代替エネルギーの検討は必要性が大きい。(参考)
天然ガス
60年
ウラン
100年
石炭
122年
3.確認可採埋蔵量(1)総量
1兆2,580億バレル(2008年時点、 2000億2200万kl)
(2)国別埋蔵量
①サウジアラビア
21%
②イラン
11%
③イラク
9%
④クウェート
8%
⑤ベネズエラ
8%
⑥アラブ首長国連邦
8%
⑦ロシア
6%
⑧その他
29%
この数値からも判る通り、石油埋蔵量の6割超が、政治的に不安定な中東地域である。4.石油の輸入先 (資源エネルギー庁)
(1)総輸入量
2億3,441万kl
(2)輸入先
日本は石油を各国から分散輸入。これはリスクを分散を図るため。
しかし、中東地域全体からは88%の石油を輸入。集中度はあまりに高い。
①サウジアラビア
28%
②アラブ首長国連邦
23%
③イラン
12%
④カタール
11%
⑤ロシア
4%
⑥インドネシア
3%
⑦スーダン
2%
他※上記①~④までは中東地域。その他の中東地域からも14%を輸入し、中東地域からは合計88%を輸入。
5.注意点
①地球温暖化防止の観点からも、石油の大量使用は課題を残す。
②輸送は簡易(液体であるため)であるが、輸送中に事故が発生すると海洋などを汚染する。
※先般、アメリカ合衆国の油田でも、採掘現場で石油流出の事故あり。
以上
<次回のシリーズに続く>