- 2011.11.08
- 関の考え方
外交は慎重に
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TPPへの参加の意思表示を野田総理が急いでいる。いや、焦っている。
外交はで焦りは禁物。理由は簡単。一度、締結した条約の変更は直ぐできないのだ。失礼だが言わせて頂く。2年前の総選挙の民主党マニュフェストは実行されていない。
その不実行について自ら言及もされていない。これでも日本では暴動は起きていない。しかし、外交では約束不履行は許されない。必ず、調印したものの責任は取らされる。
日本国内で国民から与えられた猶予期間など、外交には存在しない。過去、日本は外交で何度も苦汁をなめてきた。
江戸から明治へ。鎖国から開国へ。その時の不平等条約の調印で、新明治政府の外務大臣が命を張り、不平等条約の解決に奔走した。命を張った。
「一度締結をした条約は履行される → 責任を取らされる 」のだ。野田総理!
どのような条約か内容を聞くために会議だけ参加しようなど国際的に通用しない。アメリカとの自由貿易協定でカナダが提訴され、何億もの賠償を飲まされた例など、ほんの一部に過ぎない。それほど、この度の条約の中身は強烈である。
韓国では米韓FTAに対する抗議行動が議会発生。国内の議論も十分に行わず大統領間で急ぎ調印を行った結果がこれである。
野田総理は先日、「消費税を10%まで引上げ」と国際公約をした。日本の全国民は寝耳に水。しかも民主党議員でさえ知らなかった。ましてや野党議員は誰も知らず。
国家が振り回されている。
国際公約を行って、日本国内政治の外堀を埋めようとは、言語道断。禁じ手である。
発想が逆。日本国内を守るため、議論を尽くす時間を得るため、外交で汗をかかねばならないのだ!何故、そのように焦るのか?各国は11月中に条約に調印しなければ、永遠に日本をTPPに参加させ無いと言っていない。そのようなことをすると取引国自身が損をする。
TPPのような、余りにも大きな決断を、短時間で、しかも今の政権が行うことに日本の命運がかかってしまうとは。
せめても、国会議論を尽くせ! 急ぐように依頼があっても、急いではならない。
急ぐほどに、日本の国家損失が拡大する危険性がある。苦しいことはよく判るが、野田総理!今は焦ってはならない。